リミテッドスリップデファレンシャルギヤ 

取り付けには,ミッションを降ろすことになります
現在,経験値4です(笑)

また,この方法は恐らく誰もやっていないと思います
でもLSD交換ならちゃんと(?)できます

まず必要なもの
1.腕力→力持ちではありませんが一人で持ち上げ可能です
2.万力 → リングギヤ取り付け時に必要
3.トルクレンチ → さすがに必要
4.ベアリングを抜くプーラまたはタガネ類
5.圧入のためのプレス機
6.ねじロック剤 → リングギヤを固定するボルトに使用

作業のポイントを羅列してみます

ミッション降ろし作業
1.左側のドラシャを抜く際,正規にはスライディングハンマを使用します
  スラハンを持ってない私は,タガネとMASSの大きいハンマでたたき抜きます

2.ミッション中央前側のマウント上部にクラッチレリーズシリンダがあります
  配管を切らずにENGマウントブラケットごと取り外し,タイラップでどこかに吊っておきましょう

3.エンジンをフロアジャッキを使って支持します
  その際当て木をしましょう,安定感と傷防止です
  右以外のENGマウントを外し,右にあるプーリーがボディーに干渉しないぎりぎりまで下げていきます

4.ミッションの下に体を入れます
  エンジンブロックとクラッチハウジングを切り離すため,都合のいいところをバール等でこじり徐々に切り離します
  キーが抜ければ,腕力でミッションを降ろすだけです

分解作業
1.左ENGマウントが付いている側のふたを開けます
  5速シンクロフォークとスナップリング,六角ネジで付いているボール式のピボット(名前がわからん)を外します

2.そのほか六角ネジとリバーススイッチを外しておきます

3.クラッチハウジングとミッションケースを切り離します
  シフトフォークシャフトとリバースギヤが引っかかりなかなか取れません
  リバースギヤはケース外側にシャフト固定ボルトがあるので,緩めると作業がやりやすいでしょう
  すると写真の状態になります(初回の写真なので,外していない部品あり)

プレロード調整
1.LSDにベアリングを圧入します
  油圧プレスが必須です
  ない場合は販社に持ち込んでやってもらいましょう(工賃1500円くらいが相場)

2.新品のオイルシールを用意しておきましょう
  アウターレースを抜く際に傷をつけることがあります

3.クラッチハウジング側のシム調整は不要です
  アウターレースのみ交換します
  打ち込み量はケース端よりRH1.6〜2.2mm,LHは9.6〜10.2mmです(整解より)

4.プレロードはミッションケース側で調整します
  まず旧アウターレースをマイナスドライバでたたき抜き,調整プレートを外します

5.新アウターレースだけを装着し,ベアリング装着済みのLSDを入れ,組み立てます(とりあえず蓋が閉まればよい)
  この際,レースは最後まできっちり入れましょう
  ケースを閉める際にベアリングでレースを押し込むと,ベアリングがぶっ壊れます(経験済み)

6.ケース外側から,レースをたたきベアリングに当たるまで押し付けます
  そしてシックネスゲージで隙間を計り,プレートを選定しましょう(2.10〜3.00まで0.05刻みで設定されている)
  私の場合,ノーマル2.25でした

組み立て(秘技公開!)
1.初めての場合,最大の難所はリバースギヤにフォークを入れる作業です
  正規取付けイメージです(ミッションの中でこうならないといけない)

2.ミッションケースを下,クラッチハウジングを上のポジションで作業します

3.リバースギヤのシャフトをガタつく程度にミッションケースに取り付けます
  写真のようにフォークが刺さる部分に細い針金をかけ,クラッチハウジング側に引っぱっておきます

 

4.クラッチハウジングに,5速&リバース用フォークシャフトを取り付けます
  リバースフォーク位置は写真の位置で保持しつつ,ミッションケースの上から徐々に下ろしましょう

  先に別のシャフトが写真の位置に入ります
  すると,リバースフォークが下がり,リバースギヤの溝に近づきます
  この時点でケース間の隙間は15mm程度のはず(笑)
  リバースギヤをドライバで傾けたり針金を動かしてフォークを溝に入れ,針金を抜きます
  最初は相当難しいです

5.組み立て後に,ギヤがすべて入ることを確認しましょう

あとは逆の手順で乗っけるだけです
乗っける際,クラッチにインプットシャフトを入れるのが至難の業ですが,角度さえ合わせれば気持ちよく挿入できます